文学_芥川龍之介『杜子春』のあらすじ

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面白さ

芥川龍之介と言えば短編小説ですね。

その代表作の1つである『杜子春』は幸せってなんだろう?という問いかけをテーマにしている作品と言えるでしょう。

学生の頃に、教科書などで読んだことがある方も多いかと思いますが、

ある程度お金を稼いでいる大人の方が刺さりやすいかもしれません。

登場人物

ざっくり2人紹介します。

杜子春…裕福な家庭の子どもながら転落
謎の老人…杜子春を気にかける老人。実は仙人

あらすじ

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舞台は唐の都洛陽です。

当時は世界有数の大都市で人の往来が絶えないほど活気づいていました。

そんな中、洛陽の門でうなだれる杜子春。

お金持ちだったが、貧乏になって途方にくれていました。



そこに突然、謎の老人(仙人)が現れます。

「なに考えてんの?」


杜子春は、突然見知らぬ人から声をかけられたので思わず本音を言います。

「寝る場所もないから、途方に暮れてるねん…。」


仙人「それはかわいそうやな…。お前の影の頭のところを掘ったら、お金持ちなれるよ。」と言い残し去ります。

大金持ちになる杜子春

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仙人の言う通り、頭のところを掘るとお金がたくさん出てきました。

そうして、皇帝並みの贅沢三昧な生活を送ります。

高級な酒、高級肉の取り寄せ、高級家具などなど

また、友達も増えて洛陽の美人や有名人とは全員友達になりました。



が、しかし。

また門にうなだれる杜子春。

贅沢をしすぎてお金がなくなってしまい、贅沢していたときの友人は誰もいなくなったのです。

そこに突然、謎の老人(仙人)が現れます。

「なに考えてんの?」杜子春は突然、見知らぬ人から声をかけられたので、思わず本音を言います。

「寝る場所もないから、途方に暮れてるねん…。」

仙人「それはかわいそうやな…。お前の影の胸のところを掘ったら、お金持ちなれるよ。」と言い残し去ります。

というほぼ全く同じくだりを行います。

すると、また大金持ちになりましたが、同じように贅沢三昧をして貧乏になります。

またまた門にうなだれる杜子春。

お金も人脈もまたふりだしになりました。

そこに突然、謎の老人(仙人)が現れます。

「なに考えてんの?」杜子春は突然、見知らぬ人から声をかけられたので、思わず本音を言います。

「寝る場所もないから、途方に暮れてるねん…。」

仙人「それはかわいそうやな…。お前の影の腹のところを…」

また同じくだりか!と思いきや、ここで杜子春はお金はいらない!と告げます。

贅沢ではなく、人間というものに愛想をつかしたからだと。

だからこそ、仙人の弟子になりたいと志願します。

仙人の修行

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仙人になるためには、今から一言も喋るなという条件をつきつけられます。

杜子春に様々な幻覚が襲います。

虎に襲われたり、稲妻に打たれたり、槍に突かれたり。

杜子春は一言も喋りません。


最後に、馬の姿になった両親へ鞭打ちされるシーンを見せられます。


あまりにも辛い惨状を見ている杜子春ですが、まだ一言も喋りません。

馬の姿になり鞭打ちを受ける母から

「私達のことは良いから幸せになりなさい。」と言われます。

それを聞いた杜子春は思わず、「お母さん…。」と声を上げてしまいます。

修行の失敗

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声を出した瞬間、門に戻りました。

つまり、仙人の修行の失敗です。

しかし、杜子春は喜んでいました。

人間らしさを守れたという喜びでした。

それを見た仙人は、杜子春に1軒の家と畑を与えてその場を立ち去りました。

解釈

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お金さえあれば幸せになれる!と一度は考えてことはないでしょうか?

しかし、杜子春のようにお金持ちになったからと言って、幸せになるとは限りませんよね。

金の切れ目は縁の切れ目ということわざのように、

貧乏になった杜子春にはみんな挨拶すらしないようになります。

また、人間に愛想をつかしていたけれども、

親は自分の幸せ1つを願っているシーンからは、

お金ではなく情や思いやりがあることこそ幸せなんじゃないか

と考えさせられますね。

ちなみに、杜子春のモデルとなった中国古典があります。

原典では杜子春は仙人になれなかったことを残念がり、仙人は杜子春に冷たくあたります。

しかし、芥川龍之介の『杜子春』では、杜子春は晴れやかに、そして仙人は家や畑を与えます。


芥川龍之介は、仙人になるよりも平凡だが温かい生活こそが幸せだよねと伝えたかったのではないでしょうか?

お金は必要だけれども、重要ではない

と、誰かが言ってました。

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